ガバナンス崩壊?! 日本の私立大学

元学長の体験的大学論  大丈夫か?日本の私立大学!

音大崩壊の真実を解き明かす

崩壊する『音大崩壊』。

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今日は、noteの記事紹介なんですが、書評ですね。書評を書きました。ある本について。『音大崩壊』、2022年に出た、音大ですね、音楽大学崩壊という本についての書評の記事の解説を少ししようかなと思っています。

これはですね、いわゆる音楽大学業界ではかなり有名になった方なんですが、大内孝夫さんという方がいまして、今、名古屋芸術大学の教授になってしまったんですけれども、もともと銀行に勤めてた方なんですけどね。その後、武蔵野音楽大学の就職課ですね、に勤められた後、『音大卒は武器になる』、ご存知ですかね。音大卒は武器になる。音大を出たってことはね、武器になるんだよって。社会を生きていく上で。就職の上でも武器になるんだよって。

この本が出た時は、これ2000何年でしたかね。2015年に出た時には、私ちょうど名古屋音楽大学っていうところで学長をやってたんですけれども、この本はいい本です。私もこういうことを書きたいと思ってたところに、まさに出たので、やっぱり音大生の強みですね。音大生の持ってる強みっていうのは間違いなくあるんですよ。

それをすごくしっかり書いてくれたので、この本は本当にいい本でしたね。こういう本を待っていたというか、誰も書かなきゃ私が書こうと本当に思ってたわけですけれども、大内さんが書いてくれて、まさに我が意を得たりと。

その後これが売れたんですね。その後音大卒シリーズというので、大内さんはたくさん本を書くわけです。音大卒の戦い方。音大卒イコール武器にした元メガバンク支店長が送る大学就職課発、目から鱗の就活術。音大生の就活支援隊長という。
就職部長ですね。音大生の就職を力強くサポートする就職部長ということで脚光浴びたと。それぐらい日本の音大っていうのは就職に力を入れてこなかったっていうね、逆のことで言えばね。そういう実情があったわけです。そこに見事にすっぽりはまったということです。

もう、飛ぶ鳥を落とす勢い、名古屋芸術大学の教授にもなってしまったということなんですね。まさに大内さんのほぼ独占市場として、一つの産業として成立しているという風に、書評というか記事には書かせていただいたんですけど、じゃあその理由は何か。ここから有料記事になっているわけなんですけど。

これ一言で言うと要するに音大っていうのはそういう経営とかビジネスとか就職っていうことっていうのはあんまり考えない、あるいは、考えちゃいけないという常識があったわけです。世間からすれば非常に非常識的なことなんですが。そこにまさに大内さんの本はスポッとはまったわけですよね。

私の言い方では、音楽大学業界にはビジネス書がなかった。まさに音楽大学という業界にビジネス書が出た。これがまさに大内さんのやったことですね。いわゆるニッチ産業が成立したということなんですね。

大内さんのやってきた仕事ってとてもすごく大事なことで、これで勇気づけられた音大生あるいは音大卒業生は本当にたくさんいるんです。だからこれまで音楽大学の常識としてあまり就職に関心がなかったこと自体が実は世間的には大いなる非常識であったということを白日の下に晒すとともに、そこにちゃんと力を入れるべきだということをね、しっかり位置づけたと。この業界でね。そういうことの功績は本当に評価してもしきれないと思うんですよね。よくやってくれたと私も思ってますしとても大事なことだと。

そこで今回出た2022年去年出た『音大崩壊』。これはやっぱりね、売れ筋狙ってタイトルつけたっていうことで、音楽大学崩壊という『音大崩壊』。私最初見たとき、「音、大崩壊」って読んでしまったんです。音大崩壊。音、大崩壊って言うと、のだめカンタービレを思い出すんですが、それはさておきですね。この『音大崩壊』はですねやっぱビジネス書なんです。私からすれば。

いろんなことが書いてあるんですけれども、やっぱり、ちょっと申し訳ないけれども売れ筋狙いで中身は薄い。というのが私の評価ですね。これでは音大は救えないと。音楽教育を救うたった二つのアプローチということも書かれてるんですが。

いろいろこう、スポーツ庁はできたのに音楽庁がなぜないのかとか書いて、切り口は面白いんですが。ただ現実はそんなに甘くないぞと。これでは音大は救えないぞということをいろいろ書いてます。

このあたりはね、ぜひ記事を読んでほしいと思います。とりあえずこの音声ではね、ここまでお話しして、あとは記事でね、ぜひ読んでいただければいいかなと思ってますので、そんなことで書評『音大崩壊』の紹介でした。記事のリンクも貼っておきますので、ぜひそちらの方もね見ていただければと思います。